冬に流行しやすいノロウイルス。
流行する前に知っておきたい感染ルートや、予防法をご紹介します。
そもそも「ノロウイルス」って?
ノロウイルスとは、人の小腸内で増えてしまうウイルスの一種。
おもに口から感染する「感染症胃腸炎」の原因の一つで、少しのウイルスでも発症してしまう感染力の強さが特徴です。
ですが、ノロウイルスには人の体内でしか育たないという特徴があるため研究が難しく、まだ有効なワクチンが開発されていません。かかってしまったら、吐き気止めや胃腸薬を飲むなど、対症療法しか手だてがないのです。
かかるとどうなる?
ノロウイルスの潜伏期間は平均1~3日。発症すると、吐き気・嘔吐・激しい下痢・腹痛・軽い発熱などの症状を引き起こします。
だいたい1~2日で改善しますが、下痢や嘔吐が続くと、抵抗力の弱い乳幼児や高齢者は、脱水症状になってしまう場合があるのでマメに水分補給するようにしましょう。
いずれの症状にしても早めに医療機関を受診するのがオススメです。
主なノロウイルスの感染ルートは?
- 食品から人への感染
ノロウイルスに汚染された食品を、生または十分に加熱しないで食べることで感染。
または感染した人が料理する際に、食品や水を汚染してしまい、その汚染食品を食べたり飲んだりして感染するルート。 - 手指やドアノブからの感染
感染した人の嘔吐物や便に触れてしまい、手や指に付着したウイルスがドアノブなどに付着し、それを触った人の手指を介して、ウイルスが口から入るルート。 - 感染者の排泄・嘔吐物からの飛沫感染
感染者の下痢や嘔吐物が飛び散り、そのウイルスを含んだ小さな水滴飛沫が口から入ってしまうルート。
または患者の嘔吐物の処理が不十分だと、それが乾燥してホコリや塵となって空気中を漂い、口から入ってしまう場合も。
「ノロウイルスから嫌われる」方法とは!?
- 30秒以上手を洗おう
ノロウイルス対策の基本は手洗いです。トイレの後、料理前、食事の前には石鹸と流水で30秒以上手を洗いましょう。手をふくタオルは家族でも共有は避け、ペーパータオルなどを使用するのがベターです。 - 食材や器具の洗浄・加熱
食品からの感染を防止するためには、食材を十分に加熱することが大事。食材の中心温度85度以上、1分以上の加熱でウイルスの活動を止められるとされています。
また手指や調理器具の洗浄・消毒はマメに行うようにしましょう。 - 身近に感染者が出た場合は
感染者の下痢や嘔吐物の処理をする時は、部屋の換気を十分にしましょう。
嘔吐物をふき取った後、汚れた物や床は、次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用漂白剤など、塩素系消毒剤で消毒してください。下痢や嘔吐物は素手ではさわらず、使い捨てビニール手袋と使い捨てマスクの着用を心がけましょう。
食べてノロウイルスを撃退
1.ヨーグルトや乳酸菌飲料 乳酸菌飲料やヨーグルトに「プロバイオティクス」が含まれているものがオススメです。 プロバイオティクスとは、腸内細菌のバランスを改善してくれる、いわゆる「善玉菌」のこと。 善玉菌を含んだ食品を摂ることで、腸内の免疫機能が高まり、免疫系の機能向上につながります。 |
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2.ビタミンA・C・E ビタミンA・C・Eは免疫細胞の働きを高めることが分かっています。 ビタミンAはニンジンやカボチャなどの緑黄色野菜、レバーなどに。 ビタミンCはフルーツやブロッコリーなどの野菜に。 ビタミンEはピーマンやアーモンドなどに多く含まれています。 |
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3.オリゴ糖 乳酸菌やビフィズス菌など「プロバイオティクス」のエサとなるオリゴ糖を積極的に摂ることも腸内の善玉菌を増やすことにつながります。 オリゴ糖はトウモロコシ、大豆、バナナなどに多く含まれています。 |