良い呼吸とは?
いきなりですが、深呼吸をしてみてください。
この時、「あごが上向き、上半身がのけぞる」「胸とお腹が大きく前に膨らむ」「両腕が脇から離れる」のどれかに当てはまっていませんか?
これらは、実は深呼吸ではなく、「大呼吸」と言われる浅い呼吸です。
本当の深呼吸とは、鼻から吸った息が体の中心を通過し、腹の底にストンと収まる深い呼吸のこと。
息を吸うと体幹が風船のように膨らみ、吐くとしぼみますよね。深い呼吸は、この「ふくらむ」「しぼむ」のリズムに従って、体の中心から末端へ、そして末端から中心に向かって、血液、リンパ、体液などと共に全身を巡ります。この循環がスムーズであることが重要なポイントです。
「浅い呼吸」は不調の原因に
浅い呼吸では、呼吸が体幹の表面に小さく窮屈に留まったままで、呼吸のエネルギーを全身に送り出すことができません。すると呼吸循環、体液循環が悪くなり、筋肉、関節、血液など、体のさまざまな不調の原因となる可能性があります。



深い呼吸を妨げる「3大NG呼吸グセ」
1.口呼吸
鼻から吸って鼻か口から吐くのが深い呼吸の基本。
口呼吸をするとどうしても上体がのけぞり、あごが上向きになります。これは人工呼吸の際に気道を確保する形によく似ています。
つまり口呼吸とは、「とりあえず浅くてもいいから酸素を取り入れる」目的のもので、深い呼吸にはなりにくいのです。
2.ため息の習慣化
息を留めてから一気に「はぁ~」と吐き出すのがため息。実は、留めている時は一瞬「無呼吸状態」に陥っています。「無呼吸状態」が何年もかけて積み重なると、大きな不調につながる可能性が…。
そもそもため息は、日常での小さな緊張の積み重ねの反動とも言えるもの。
体の緊張状態も進行してしまうので、百害あって一利なしです。
3.吸う息より吐く息の方が短い
鼻から息を限界まで吸い、吐きつくすまで口から吐いてみてください。
この時、吐く息のほうが苦しくないでしょうか?実は、深い呼吸ができていない人の大半は、吐くことが苦手です。良い呼吸は「吸える」「吐ける」が両立して成り立つので、吐くのが苦手だと浅い呼吸になりがちです。ぜひ「吐く」練習もしてみましょう。
呼吸がしやすい「うちまき姿勢」のススメ
「背筋を伸ばす」「足を伸ばし、お尻を引き締める」など、よく言われる美姿勢は、実は体に緊張をもたらし、浅い呼吸を呼び寄せてしまいます。
ここではラクに息が深く吸えるようになる、体を少し内側に巻いた姿勢「うちまき姿勢」をご紹介します。
