春眠暁を覚えずといいますが、春は睡眠に関するモヤモヤを抱えやすい時期。
私たちは、人生の3分の1を眠って過ごすといわれており、眠りの悩みも多岐にわたります。
今回は特に年齢を重ねてから悩みが増えたという方に、快眠のコツをご紹介します。

年齢と睡眠の関係
「早朝に目が覚めるようになった」「夜間に目が覚める」「長い時間眠れない」などの悩みを抱えていませんか?
実は悩みの多くは、年齢に応じた体の変化によるものなのです。
第1の変化は、体内時計のリズム。年齢を重ねると、血圧や体温などの体のリズムそのものが前倒しになり、より早く目が覚めようになるのです。
第2の変化は、睡眠の深さです。睡眠中は、レム睡眠とノンレム睡眠が約90分周期で交互に訪れます。年齢を重ねると、睡眠の中でも深いノンレム睡眠の時間が減少し、眠りの浅い時間が増えることが分かっています。そのため、夜間に尿意や、物音で目が覚めてしまうことが多くなるのです。
第3の変化は睡眠時間です。そもそも年齢を重ねると、眠れる時間は短くなってくるのです。20代の睡眠時間と60代の睡眠時間が約1時間程度減少するという調査もあります。
体の変化を理解して、悩み過ぎずにリラックスして眠ることを心がけましょう。
ぐっすり快眠のコツ
年齢を重ねるとどうしても睡眠の質は低下してしまいます。そこで、少しでも質のよい睡眠をとるためのコツを5つ紹介します。
- 就寝時間と起床時間を決めて規則正しく眠る。
体内時計を整えると、自然と体がホルモンの分泌や体温などを調整し、睡眠に備えてくれます。また、起床直後の朝の光は体内時計を整える助けになります。 - 就寝環境を整える。
快適な眠りに適した寝具内の環境は、33℃前後、湿度は50%前後とされています。湿度や温度を保つことができ、体に負担の少ない姿勢を保てる寝具がおすすめです。 - 運動する習慣を身につける。
夕方から就寝の3時間程度前を目安に運動する習慣を身につけましょう。速足の散歩や軽いランニングなど、適度な有酸素運動がおすすめです。 - 湯船につかって入浴する。
就寝の2~3時間前に湯船につかって、体温を上げましょう。眠気は体温の低下時に訪れるといわれています。体に負担のないよう、体調や好みの入浴方法を選びましょう。 - 朝食をきちんと食べる。
朝食は簡単なもので良いので、きちんと摂りましょう。脳のエネルギー源として糖分を補給しましょう。朝食以外も、規則正しく食べて体内時計を整えましょう。

不安に感じたら相談
快眠のコツを試したけれど悩みが改善しない、解決しない悩みがある場合は、お医者さんに相談してみましょう。思わぬ病気が隠れていることもあります。
睡眠の悩みは誰もが抱える身近な問題です。一人で抱えこまないようにしてくださいね。
参考
①e-ヘルスネット(快眠と生活習慣)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-004.html
②e-ヘルスネット(高齢者の睡眠)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-02-004.html
③e-ヘルスネット(快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-01-003.html