タバコを吸うことにより、ニコチンやタール、一酸化炭素などの有害物質が身体に悪影響を与え、生活習慣病へのリスクが高まります。
この記事では、喫煙による「健康への影響」や「禁煙することによる効果」について紹介します。
喫煙と生活習慣病の関係(1
生活習慣病とは「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」を指しています。
喫煙は、循環器病、慢性気管支炎、歯周病などの生活習慣病と関連があることが明らかになっています。
生活習慣病について以下の記事で詳しく紹介しているので、ご興味ある方はご覧ください。
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喫煙が原因となる
生活習慣病の種類
喫煙が原因となる生活習慣病は数多くありますが、今回は以下の4つのカテゴリーに分けて紹介します。
喫煙による身体へのリスクを理解して、喫煙習慣の見直しをしましょう。
がん (2
タバコの煙には60種類以上の発がん物質が含まれており、国際がん研究機関(IARC)の2012年の報告では、「喫煙との関連が確実ながん」として以下が挙げられています。
喫煙との関連が確実ながん
口腔、鼻咽頭、副鼻腔、喉頭、肺、食道、胃、膵臓、大腸、肝臓、腎臓、尿管、膀胱、子宮頚部、卵巣、骨髄性白血病
循環器疾患(2
喫煙によって血管の壁を傷つけてしまい、機能不全につながります。
他にも血液中の酸素の運搬能力が低下することなど複数の要素で循環器疾患が引き起こされます。
喫煙が原因で引き起こされる循環器疾患として、以下が挙げられています。
喫煙による循環器疾患
動脈硬化、冠状動脈疾患、脳卒中、腹部大動脈瘤など
呼吸器疾患(2
呼吸器系はタバコの煙に含まれる有害物質の影響を特に受けやすいです。
基礎疾患がない場合でも、呼吸器症状を引き起こす原因になります。
以下が喫煙によって引き起こされる呼吸器疾患の一例です。
喫煙による呼吸器疾患
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、呼吸機能低下、気管支喘息の発症・悪化など
糖尿病(3
喫煙によって起きる「血糖の上昇」や「インスリンの働きの妨げ」により、糖尿病にかかりやすくなります。
糖尿病になったあとも喫煙を続けることで、脳梗塞や心筋梗塞など合併症のリスクも高まります。
糖尿病について以下の記事で詳しく紹介しているので、ご興味ある方はご覧ください。
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喫煙による健康への影響について
喫煙者本人への影響 (4
ここまで紹介した通り、喫煙は多くの病気と関係しています。
紹介したもの以外にも、骨粗鬆症や歯周病など数えたらきりがありません。他にも免疫機能の低下により、インフルエンザや肺炎などの感染症にもかかりやすいといわれています。
受動喫煙による周りの人への影響 (5
喫煙している本人以外にも、タバコの煙によって周りの人は受動喫煙してしまいます。受動喫煙による健康への影響については、以下が挙げられています。
受動喫煙による健康への影響
肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、乳幼児突然死症候群など
特に受動喫煙による肺がんのリスクは、1.28倍との研究結果もありますので、周りの人への配慮も必要だということが分かるでしょう。
禁煙することによる効果 (6
長い間、喫煙している方でも、今から禁煙することにより病気のリスクを下げられます。
「どうせ今まで吸っているから、変わらない」と思わずに禁煙しようとする意志が大切です。
禁煙の効果
30歳までに禁煙した場合
元々喫煙しなかった人と同様の余命が期待できる
50歳で禁煙した場合
寿命が6年長くなる
具体的な効果に関しては、こちらの厚生労働省のページをご覧ください。禁煙した直後から10~15年後までの効果をイラストで分かりやすく紹介しています。
禁煙以外の習慣も大事
生活習慣病を予防・改善するには「禁煙」以外にも「食事習慣」や「運動習慣」などにも気を付ける必要があります。簡単に紹介しますね。
食事で予防
生活習慣病を予防・改善するには、毎日の食事を見直すこともおすすめです。ついつい忙しいからとコンビニご飯や甘いおやつなど食べていませんか?
まずは、「主食」「主菜」「副菜」「汁物」を組み合わせたバランスの良い食生活を目指すことが大事です。以下の記事では食事のポイントについて紹介しています!
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適度な飲酒で予防
適量のお酒は「百薬の長」といわれるほど、リラックス効果や血液の流れをよくする効果など体への良い影響を期待できます。
ただし、過度な飲酒は高血圧や糖尿病、心筋梗塞などの原因になるので注意しましょう。以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください。
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喫煙習慣から生活習慣の見直しを
タバコを吸うことは、ニコチンやタール、一酸化炭素などの有害物質が身体に悪影響を与え、がんや循環器疾患などのリスクを高める原因になります。
タバコを止めるのに遅いことはありません。禁煙をサポートする医療機関もありますので、うまく活用しましょう。
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喫煙が原因となる生活習慣病|健康への影響や禁煙による効果もご紹介
タバコを吸うことにより、ニコチンやタール、一酸化炭素などの有害物質が身体に悪影響を与え、生活習慣病へのリスクが高まります。この記事では、喫煙による「健康への影響」や「禁煙することによる効果」について紹介します。
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参考
(1 生活習慣病とは? e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-001.html
(2 喫煙とNCD(生活習慣病)e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco-summaries/t-03
(3 喫煙と糖尿病 e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-03-004.html
(4 喫煙によるその他の健康影響 e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-02-004.html
(5 受動喫煙 – 他人の喫煙の影響e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-02-005.html
(6 禁煙の効果e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-08-001.html