とうもろこしには食物繊維やカリウム・マグネシウムなどのミネラル、葉酸・ナイアシンなどのビタミン等、多くの栄養素を含んでいます。
むくみ予防や便秘解消にもオススメです。この記事では、とうもろこしの主な栄養成分とその健康効果について詳しく紹介します。
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とうもろこしの主な栄養成分
とうもろこしはたんぱく質や食物繊維、カリウム・マグネシウムなどのミネラルの他、ビタミンB群など多くの栄養を含む食品です。主な栄養成分について簡単に紹介します。
栄養成分と効能
食物繊維
食後のコレステロールの吸収や、血糖値の急激な上昇を抑える作用がある
カリウム
ミネラルの一種であり、ナトリウム(塩分)の体外排出、筋肉の収縮、血圧の上昇を防ぐサポートをする
リン
人体に必要なミネラルの一種で骨や歯の形成をサポートする
ビタミンB群
エネルギー代謝を助け、粘膜の再生、免疫機能の維持や貧血・疲労感を軽減する作用がある
葉酸
ビタミンB12とともに赤血球の生産のサポートや、たんぱく質の生合性を促進する
ここからは、上記で紹介した以外の栄養成分について簡単に紹介します。
鉄 (1
鉄は赤血球をつくるミネラルの一種です。鉄が不足すると貧血などの症状を引き起こします。
とうもろこしには鉄が100gあたり0.8mg含まれています。一般的に多いとイメージされるほうれん草は0.9mg含まれており、ほとんど量は同じです。
たんぱく質
たんぱく質は三大栄養素のひとつであり、筋肉や皮膚、内臓、髪の毛、血液など体のあらゆる部分をつくる材料になります。
ただし余分にとっても体内に貯めることはできず、尿として体の外に出るため、摂りすぎには注意が必要です。とうもろこし可食部100gには3.6g含まれており、1日の摂取推奨量は男性で60~65g、女性で50gとされています。(2
とうもろこしの健康効果
とうもろこしの栄養成分について詳しく紹介しましたが、ここでは具体的な健康効果について、以下の3つを紹介します。
健康効果
- むくみ予防
- 貧血予防
- 便秘解消
むくみ予防(3
とうもろこしにはカリウムが多く含まれているため、むくみ予防を期待できます。
むくみは体の塩分量が多い時、それを緩和させるために体が水分を蓄えることによって起こります。カリウムには塩分量を調整する利尿作用があるため、むくみ予防につながります。
ただし、高カリウム血症など、カリウムの摂取量を制限している場合には、過剰摂取にならないよう注意が必要です。
貧血予防(1
とうもろこしには赤血球を作るために必要な鉄が含まれています。鉄が不足すると貧血を起こして、めまいや立ちくらみ、動悸など、体のさまざまな機能に支障をきたします。
鉄はビタミンCと一緒にとると吸収力が高まるのでオススメです。
便秘解消
とうもろこしは不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれています。食物繊維は善玉菌のエサとなり、善玉菌の増殖を促進させるため、腸内環境の改善も期待できます。
ポイント
不溶性食物繊維
「大腸の水分を吸収して便を増やす」「ぜんどう運動を促進させ便の排出をサポートする」などの効果があります。とうもろこしに含まれる食物繊維の多くは不溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維
「便を軟らかくする」「便の滑りをよくする」などの効果があります。
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とうもろこしの栄養成分表
とうもろこしの栄養成分表をまとめています。気になる栄養成分をチェックしましょう。
栄養成分 | とうもろこし類 スイートコーン (可食部100g当たり) |
カロリー | 89kcal |
水分 | 77.1g |
たんぱく質 | 3.6g |
脂質 | 1.7g |
炭水化物 | 16.8g |
食物繊維 | 3.0g |
カリウム | 290mg |
カルシウム | 3mg |
マグネシウム | 37mg |
リン | 100mg |
鉄 | 0.8mg |
ビタミンA(β-カロテン) | 22μg |
ビタミンB1 | 0.15mg |
ビタミンB2 | 0.10mg |
ナイアシン | 2.3mg |
葉酸 | 95μg |
パントテン酸 | 0.58mg |
ビタミンC | 8mg |
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とうもろこしは妊婦さんにもオススメ(4
とうもろこしには胎児の正常な発達に重要な葉酸が含まれています。
妊活を考えている方や妊娠中の方は、柑橘類や野菜、大豆など葉酸を含む食品を摂りバランスの良い食生活を目指しましょう。
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」には成人に必要な葉酸の推定平均必要量または推奨量が定められています。通常の食品から摂取する場合は、1日の葉酸の推定平均必要量が200μg、推奨量が240μgです。
ただし、赤ちゃんの発育により多くの葉酸を必要とする妊婦さんの場合、成人の推奨量240μgに加えて、「サプリメントや栄養補助食品※」などで、1日400μgを追加で補う必要があるといわれています。
推奨量(食事からの摂取) | ※追加推奨量 | |
成人 | 240μg | - |
妊娠(初期) | 240μg | +400μg |
妊娠(中期・後期) | 240μg | +240μg |
※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を元に作成
とうもろこしに関するQ&A
1本あたりの栄養は?ダイエットにいい?
とうもろこし1本の食べられる実の部分を150gとした場合の栄養素について、ご飯と比較してみました。炭水化物、糖質は半分以下ですが、食物繊維は約2倍含まれていることがわかります。
腹持ちがよいので、ダイエット中で食事制限している時やおやつ、間食に食べてもいいでしょう。
1本(150g) | ご飯(150g) | |
カロリー | 133.5kcal | 234kcal |
炭水化物 | 25.2g | 55.7g |
食物繊維 | 4.5g | 2.3g |
糖質 | 20.7g | 53.4g |
生と缶詰で栄養の違いはあるの?
生と缶詰で大きく栄養成分が変化するものをまとめました。カリウムやビタミンB1、葉酸に関しては半分以下になっているので、とりたい栄養素がある時には注意してくださいね。
ただ缶詰は年中買えて、料理にも手軽に使えるため、減った分の栄養素を他の食材で補うなど工夫するのもいいでしょう。
生 | 缶詰 | |
たんぱく質 | 3.6g | 2.3g |
カリウム | 290mg | 130mg |
鉄 | 0.8mg | 0.4mg |
ビタミンB1 | 0.15mg | 0.03mg |
葉酸 | 95μg | 18μg |
とうもろこしで食卓に彩りを
とうもろこしは貧血予防やむくみ予防、便秘解消にオススメの栄養素を多く含んだ食品です。
レンジで温め簡単に食べることができたり、缶詰を使って簡単に食卓へ彩りを加えたりできます。どんな栄養が含まれているか、ぜひ考えながら食べてみてはいかがでしょうか。
参考
(1 鉄 e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-022.html
(2 日本人の食事摂取基準2020年版(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
(3 カリウム e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-005.html
(4 葉酸とサプリメント - e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html